2020/04/04
虫歯が進行し、神経に達してしまった場合には、根管治療と呼ばれる根の中まで細菌や神経を完全に除去する治療が必要となります
この根管治療を成功に導くため、重要となるのが「無菌的操作」です
「無菌的操作」とは治療部位(根管内)が口腔内の唾液や細菌、血液などに汚染されないような環境をつくるための操作のことを言います
根管治療においてこの無菌的操作を実現させるための前処置の一つに「隔壁」という手法を用いることがあります
初診時クラウン(銀歯)の脱離、歯肉の腫張を主訴にご来院された方です
歯冠部の虫歯を除去すると健全な歯質がほとんど残っていないことが分かりました
この状態のまま根管治療を進めても根管内に唾液や細菌が侵入するのを防げず無菌的な操作をおこなうことができません、、、
そのため根管治療の前に歯質のかわりとなる材料(コンポジットレジン)を用いて歯質の代わりとなる壁を形成します
このように壁をつくることで細菌の侵入だけでなく、消毒の為の根管内洗浄が確実に行えるようになり、根管治療の成功率が高くなります
隔壁の前後を比較すると分かりやすいかと思います
この様に個々の歯の状態によって治療に必要な準備、治療方法も異なることがあります
そのため当院では治療の前にしっかりと診察、診査、説明を行う時間を大切に考えております
皆様ご理解とご協力お願い致します
歯科医師 正島