2024/08/01
品川区の歯医者 かなもり歯科クリニックの歯科助手 鶴見です。
妊娠中に歯科治療を受けていいか、迷った事はございませんか?
また、健康な生活をする上で大切な役割を果たす『歯』ですが、
お母さんとして生まれてくる赤ちゃんに丈夫な歯を贈りたいと思いませんか?
かなもり歯科クリニックでは妊婦歯科治療に関する情報を発信する事で、
妊婦さんだけでなく、生まれてくる
赤ちゃんの口の中の健康につながると考えています。
当院でも妊娠がわかり、治療をここのまま続けて良いか質問される患者様がいらっしゃいます。
妊娠中の口の中に対して不安な事が沢山あると思いますので、
ここでは妊娠中の治療、出産後の口の中のケアなどについてお話させて下さい。
目次
妊娠中は女性ホルモンが増加します。歯周病菌と女性ホルモンには関連があり、通常よりも細菌が育ちやすい為口臭や歯周病の悪化につながります。
加えて体内の免疫力低下により歯肉の免疫力が低下することがあります。
さらに、だ液(つば)の分泌量が減少すると口の中が乾きやすくなるため虫歯リスクが高まります。
つわり時期には気分が悪くて一度に量を食べられずこまめに食事をとることにより口の中のPHが一定にならず、口の中が不安定な状態になります。
以上のことにより食生活が乱れ栄養摂取が偏りがちになり、
さらに免疫力が低下し口の中の環境が悪化する・・という悪循環に陥ります。
妊娠~4ヶ月
切迫流産が起こりやすい時期。悪影響が受けやすく治療は控えた方が良いでしょう。
5か月~7か月頃
心配なく治療を行える時期。
安定期であればお腹の中の赤ちゃんに影響が出にくい為治療を受けることが適切とされています。
母体に負担がかかる為、長時間の治療は避けていただくか、
医師と相談しながら進めていくと良いでしょう。
8か月以降
臨月に入ってからは、急なお産で治療途中で中断の可能性もあるので、控えた方が安心です。
妊娠中に特に起こりやすいものをまとめてみました。
妊娠中は、女性ホルモンの分泌が約7倍になる為、
女性ホルモンを好む歯周病菌が増える事によって
歯肉炎になりやすくなります。
妊娠2~3か月から症状が見られ、妊娠中期には歯肉が腫れたり出血したりします。
そのまま放置してしまうと歯周病が進んでしまいます。
特に歯周炎を持つ妊婦さんはタバコやアルコール、
高齢出産といった要因と比べても歯周病のリスクが非常に高いと言われています。
また、早産や低体重児を出産する確率が高くなるという報告があるので注意が必要となります。
歯肉炎の治療は妊娠中にも行えますので歯ぐきから血が出る・歯を磨くと痛いなどの症状がある方はご相談頂くようにお願いいたします。
歯茎にできる良性のできものです。
歯肉に大きく膨らんでコブのようになり、妊娠3か月以降にみられることがあります。
原因は女性ホルモンの増加によるものと考えられていますが、
出産後に自然となくなる場合もあるのであまり心配はいりません。
妊娠をすると虫歯が増えるという証拠はありませんが、
生理的変化・生活習慣の変化に伴い口腔環境が悪化する為虫歯になりやすい状況となってしまいます。
虫歯は適切な時期での治療が重要になるので日頃から歯科検診を受けて早期発見を目指しましょう。
つわりの時は、口の奥まで歯ブラシを入れることで吐き気が起こることがあります。
吐き気を防ぐには、歯ブラシの先(ヘッド)の小さいもの、
やわらかめの歯ブラシを選ぶとよいでしょう。
ハミガキの方法は、首を下に曲げだ液が奥のほうに流れにくくなり
吐き気が起きにくくなるといわれています。
またはお風呂に入った状態や音楽を聴きながらみがくなどの「ながらみがき」も、リラックスしてみがくことができますので、自分に合うハミガキ方法を見つける事も大事ですね。
歯磨きとは別に洗口液や歯間ブラシやフロスなども使ってみて口腔ケアしてみてください。
当院でも色々な歯ブラシや洗口液など多数
販売しておりますので受付の横にある物販を覗いてみてくださいね。
麻酔薬により胎児に影響が生じるか、など心配ですよね。
妊娠中にお母さんに投与されたお薬は胎盤を介して胎児にも移行します。
動物を使った研究では、大量の麻酔薬を投与すると催奇形性があるという結果が報告されています。しかし通常量の麻酔薬を使用した人間の研究では、胎児の催奇形性を明確に証明するものはありません。
妊娠中の妊婦さんでも麻酔を使って問題なく歯を抜く治療を受けることが出来ます。
ただし、ほかの治療と同様に麻酔を使用出来る妊娠中の期間は限られているのと、
抜くことで母体にストレスが大きくかかるような
「親知らずの抜歯」は、妊娠中は出来るだけ行わないようにするのが原則となります。
妊娠中の歯科治療では、なるべく薬を服用しないようにします。
ただし、歯の強い痛みが続いたり、歯肉が腫れたりするなどして、薬を服用しないことで母体に悪影響を及ぼす場合は、胎児への影響が少ない薬を最小限服用する必要があります。
胎児に対する薬の影響は、妊娠中の時期、薬の種類により異なり、時には重篤な副作用を起こすものもあります。 必ず、医者や歯医者の指示どおりに服用をするようにしてください。
妊娠中でも、歯科治療で行うレントゲン検査は可能です。 歯科で用いるレントゲンの装置から出る放射線は少量であり、またお腹からも離れていることから特に問題ございません。
当院は、肩からかける防護用エプロンの他に
お腹を覆う防護エプロンもご用意してます。
安全に検査を受けることが可能です。
歯科で処方されるお薬で多いのが、痛み止めと抗生剤です。
痛み止めに関しては、ロキソニンやイブプロフェンなどの
非ステロイド性鎮痛薬は、特に妊娠後期では胎児への影響が大きいとされています。
そのため比較的安全な
カロナールなどのアセトアミノフェンを処方されることが多いです
妊娠中の歯科治療時には、
仰臥位性低血圧症候群(ぎょうがいていけつあつしょうこうぐん)を避けるため左側を下にして横になる姿勢や斜めになる姿勢を取ることが望ましいです。
仰臥位低血圧症候群とは、
妊娠末期に子宮内の胎児により下大静脈が圧迫され、
右心房への静脈還流量が減少、そして心拍出量が減少して一過性の低血圧になる症状の事です。
無理せずに治療行う事が第一優先ですので、
治療中に気分が悪くなったりした場合はすぐに歯科医師に伝えて下さい。
少し前まではお母さまから口移しで食べ物を与えたり、
食器を共有したりすることで虫歯の感染は広がると考えられていました。
しかしながら令和5年に日本口腔衛生学会から発表された文面によると、
食器の共有に気を付けていている子供と、
気ににせずに食器の共有を行っていない子供の虫歯の罹患率に差がなかったそうです。
(2011年の論文)
さらに、親からの菌の感染は食器の共有前の生後4か月の段階で日ごろのスキンシップなどから起こっていることも発表されており、防ぐことはほとんど不可能と言えます。
対処法として、食器などからの菌の伝播を防ぐよりも、
お母さんが正しい虫歯予防の知識を持ちフッ素などで虫歯にならないように
対処することが大切なお子さまの健やかな歯を育てることにつながります。
当院には妊婦さん向けのパンフレットご用意しています。
妊娠中は、体調面の変化が激しくつわりなどで
どうしても歯磨きができないなどのお悩みがあると思います。
自身に合ううがいや洗口液などを使用することなどをおすすめします。
また、出産後は赤ちゃんのお世話で忙しくなり
歯医者に行く時間が取りにくくなることがあるので
出産前の歯科検診を受けるようにしてくださいね。
赤ちゃんの健やかな歯を育てる第一歩は、
お母さんのお口の環境をきれいにすることですから
是非出産前の時間がある時に歯科健診を受けて
トラブルの少ないマタニティライフを送りましょう。
私たちは、歯周病専門のクリニックとして虫歯治療から噛み合わせまで、 患者さま一人ひとりに合わせたトータルな治療をご提案し、患者様の満足を第一に最後まで治療します。 初診のお申し込みは、24時間WEBから可能です。 皆様のご来院を心からお待ちしております。