2018/02/17
2018/01/04
2017/11/05
私たちは食事をするときに
あと18ミリ下の顎を上前方にうごかし咀嚼しようかとか
今は強く噛みすぎだから下の顎をあと20ミリ右斜め下方に動かそう
など考えずに咀嚼しています
これは全て歯根表面にあるにある歯根膜と言う組織が
反射的に脳に伝え行っているとされています
この反射的に行う運動の敏感さ(感覚受容器の数)には
歯の部分によって敏感さが違っているとされ
前歯の方では奥歯に比べ3倍その感度が高いとされています
また神経の残っている歯と神経の残っていない歯では
約2倍感度が高いとされています
そうすると単純な計算にはならないかもしれませんが神経の残っている前歯と神経を抜かれてしまっている奥歯では6倍の感度が違うことになります
この感度が低いことで咀嚼するときのリズムが狂い歯根が割れてしまったり
歯ぎしりによって
必要以上にエナメル質を削ってしまう行為につながる可能性があります
そのため当院では可能な限り
歯を抜かず神経を抜かない方法を選択し治療に当たっています
上記の症例も特に症状はありませんでしたが定期検診で撮影したレントゲン写真から
虫歯が疑われた症例です
銀歯をはずしてみると真っ黒に変色し虫歯が進行しているのがわかります
20代後半になると虫歯が進行していても症状が出ないことが多くあります
自覚症状がない状態でも定期検診を受診することで虫歯の早期発見
抜髄の予防につながると思われます
定期的なメインテナンスで天然歯を守りましょう
2017/07/05
04.症 例, 07.歯周外科処置, 10.精密根管治療, 13.エクストルージョン(歯根挺出法), 15.矯 正, 17.審美修復
歯並びが悪く改善するための治療法として
全体的な矯正治療(抜歯・非抜歯)をするか
セラミック矯正で部分的に処置を行うか
悩まれる方も多くいらっしゃると思います
セラミック矯正とは
歯並びが悪い歯を抜歯する
または歯の頭の部分を削り落とし神経を抜き角度のついた土台(メタルコア)をいれ
4-6本の歯を連結して表面的な見た目だけを確保する
という方法です
セラミック矯正は周囲の歯を4-6本抜髄を行うことが多く
結果的に健康な歯質を切削することになるので
確実に歯の寿命を短くします
他院にて前歯が突出していたため
2本抜歯,隣の側切歯と犬歯合わせて4本を抜髄しメタルコアをいれ
メタルセラミックブリッジにて連結処置
その後咬合違和感と審美障害を理由に当院を受診されました
上部構造を外すとこのような形です
そこで全体的な咬合安定化と審美性の改善を目的として
セラミック矯正の修正治療を行います
根管治療をやり直し歯根に正しい角度の土台を入れ直し
そこから正しい位置に矯正治療を行い
移動します
現在仮歯をいれ経過観察
修正治療・最終補綴処置をおこないメンテナンスに移行予定です
なにを目的にするかでどの治療を選択するか決まります
様々な目的があると思いますが
短期的な審美性の回復で犠牲になるものが多すぎるため
当院ではセラミック矯正を行うことはありません
結果的に生涯歯科に費やす時間はセラミック矯正のほうが長くなると思われます
削ってしまった歯はもとにはもどりません
様々な意見をもとに治療を選択するようおすすめいたします
2017/06/21
先日(公社)日本歯科先端技術研究所 創立30周年記念学術講演会ならびに
祝賀会に参加させていただきました
創立30周年記念学術講演会にて
「インプラント周囲のティシュマネージメント」という演題で
講演をさせて頂く機会をいただきました
講演会では非常に興味深い演題ばかりで
発表だけではなく非常に勉強になりました
また講演後多くのご質問をいただけたのは本当に嬉しく
様々な先生とお知り合いになれたのは貴重な体験でした
また祝賀会では日本歯科先端技術研究所が非常に歴史ある会であることが
再認識できました
このような会で講演の機会をいただけたことに深く感謝いたします
理事の先生また関係の諸先生方ありがとうございました!!
2017/05/01
04.症 例, 07.歯周外科処置, 08.結合組織移植術, 15.矯 正
矯正や被せ物を行う前に歯肉の位置が整っていると
精度が高く予後が良い被せ物を行うことができます
問題なのはこのように一箇所だけ歯根が露出している場合です
こちらの部分です
違う症例ですが
歯周病や虫歯や歯列不正や咬合が原因で
このように歯根が不揃いになってしまっている場合
いったん被せ物を行うとすると
このような形になってしまいます
このように波をうったような形は被せ物の適合精度を上げることが非常に難しいのです
またメインテナンスも非常に難しく2次カリエスになり再度被せ物をやり直すことも多いのです
そこで被せ物を行う前に結合組織移植術により歯肉の位置を元通りにして
それから被せ物や矯正を行うことができる場合があります
術前・術後の写真です 矯正の前準備が整いました
2017/04/07
『保険と自由診療の違いは、治療する部位や詰めたり被せたりする材料の違いだけ』との
ご意見をいただくことがあります
もちろん、材料や使用する機器などが違うことも事実ですが、それだけではなく、『時間』の要素が
大きなウエイトを占めているということを、ぜひ皆さまに知っていただきたいと思います
奥歯が虫歯だった場合
虫歯を削り取って詰め物をする処置を行う場合
一回目
はじめに虫歯の部分をすべて除去
ベースセメント・バルクベースという神経を保護する詰め物を行います
保険診療の場合30分程度
自由診療の場合60分程度(ルーペやマイクロスコープなどの高倍率の視野で丁寧に虫歯を除去します)
二回目
持続的なお痛みがないことを確認して
保険診療の場合40分程度
1 銀歯を詰めるための形に歯を削り
2 寒天アルジネート印象法 にて型取り
3 ワックスにてかみ合わせの位置関係を記録
4 仮の詰め物をします
自由診療の場合60分程度
1 歯と歯肉がしっかり区別できるように
局所麻酔下にて圧排糸2本を歯肉のきわに設置
2 ルーペやマイクロスコープなどの高倍率の視野で
セラミックスを詰めるための形に歯を削り
3 シリコン印象法にて型取り
(精度の高い模型を製作するため 精度の高い模型製作材料を使用)
4 シリコン印象法にてかみ合わせの位置関係を精密に記録
4 仮の詰め物をします
三回目
保険診療の場合30分程度
1 銀歯を詰めるため,フロスのとおり具合や,かみ合わせを調整
2 セメントにて装着 終了となります
自由診療の場合70分程度
1 セラミックスを詰めるためフロスのとおり具合を確認
シリコン印象法で精度の高い型取りがされ,
さらに技工士も高倍率の視野で丁寧に製作されているため
ほとんど調整は必要ありません
2 装着する歯を徹底的に洗浄
唾液がつかない環境下で表面処理
セラミックス内面も表面処理をおこない
接着に良い環境を整えます
3 強度の高い特殊なセメントで接着
ルーペやマイクロスコープなどの高倍率の視野で
セメントの取り残しがないか確認 終了となります
残念ながら銀歯は再治療必要になる場合があります
症状はありませんでしたがレントゲン写真より銀歯の下が虫歯になっていることが
疑われたため銀歯を除去します
除去するとかなり変色し軟化した象牙質がでてきました
更に除去していくとかなり神経の近くまで虫歯が進行しているのがわかります
(う蝕検知液により青く染まっている部分は虫歯が疑われる箇所です)
この方の場合
MTA直接覆髄法を行い歯髄を除去せず温存する方法を選択されました
MTA直接覆髄法
単純に奥歯の虫歯を修復する方法に焦点をあて
ご説明させていただきましたが
保険と自由診療の行程と時間の差は歴然です
おなじ三回の治療ですが合計の時間は
保険診療で100分前後
自由診療で190分前後
それがすべて結果として反映されてしまいます
保険治療で複数回の治療を受けるよりも
長時間集中治療をご希望の方では
240分?500分(ほぼ1日)程度の治療を行う方もいらっしゃいます
もちろん自由診療により100%治療が行えるわけではありませんが
可能な限り再治療を行わず
「より良い治療、より確実な治療とは何か」をお考えいただき
「将来にわたって、ご自身の歯で長く快適に過ごすための治療」を
受けていただけると幸いです
2017/03/24
04.症 例, 05.虫歯治療, 10.精密根管治療, 17.審美修復
15年ほど前に前歯を強打して神経を抜いた歯が
最近急に着色してきたということで来院された患者様です
ご本人は左右対称をご希望され削ってセラミックスをかぶせる治療をご希望されましたが
まずはインターナルブリーチを行い
それで納得がいかないようでしたらはじめて削って
被せ物で左右対称になるように提案させていただきました
インターナルブリーチでは完全に左右対称にすることはできませんでしたが
患者様は満足されてこれ以上の介入は希望されませんでした
セラミックスをかぶせるだけですと歯根まで着色していることから
歯肉のきわの部分は黒いままでむしろ納得していただけなかったかもしれません
最小限の介入ですむようであればそれにこしたことはありません
お気軽にご相談ください
2016/12/01
2016/11/05
根管治療を行う場合もうすでに神経を抜いてあるかどうかで
処置が変わることがあります
過去に他院で処置したセラミック冠のかぶっている歯に
根尖病変ができてしまい噛んだときの痛みが消えないため
冠を除去し感染根管治療を行う症例です
深い虫歯で神経を抜く場合や神経の治療のやり直しの場合
ほとんど下の歯の状態のように虫歯で歯冠部分がなくなってしまっている場合があります
穴のあいたセラミックス冠をはずし中の虫歯を除去したところです
比較するとこのように低くなってしまっています
このままだと歯肉周囲から出る血液や滲出液,唾液などが根管に混入してしまうため
それを防ぐ壁を作る必要があります
まず根面を処理し
光重合型レジンにて隔壁製作をします
横から見るとこのようになります
根管洗浄後
水硬性のセメントとセメントで二重仮封して本日は終了となります
これで根管治療の前準備が整いました
次回からラバーダム防湿をおこない根管治療を行っていくことになります
一つ一つの治療を的確に積み重ねることで
多くの歯を保存することが可能になると思います
根管治療は複雑で非常にわかりにくいと思います
疑問な点はお気軽にご相談ください