2024/06/06
01.お知らせ, 04.症 例, 06.歯周病, 07.歯周外科処置, 09.歯周組織再生療法, 10.精密根管治療, 13.エクストルージョン(歯根挺出法)
品川区の歯医者 かなもり歯科クリニックの歯科医師 林です。
当院は歯周病治療専門のクリニックとして他院で「残せない」と診断された歯を残す方法はないか、と相談される機会がとても多いです。
※このようなご相談の場合、他院で診断を受けているためご相談自体が保険適応ではなくセカンドオピニオン(自由診療)となります。セカンドオピニオンの説明については当院リンクをご参照ください。
本日は「なぜ歯を抜かないといけないと診断されたか?」の原因別に、選択しうる対処方法・治療方法をお伝えしたいと思います。
もし歯科医院で(親知らずや矯正のための抜歯の場合を除いて)「抜かないといけない」と診断された場合、その理由はいくつか考えられ、それぞれが入り混じった複合的なケースなどもあります。
その原因は
虫歯が歯肉の深くまで進行している場合
歯周病が進行している場合
根の炎症が治まらない場合
根の炎症と歯周病の進行が複合的な場合
歯が割れている場合
に大別されます。
以下ではそれぞれの原因によっての取りうる対処法を説明したいと思います。
虫歯が歯肉の深いところまで進行している状態を歯肉縁下う蝕と言います。
歯肉縁下う蝕があると虫歯を完全に除去できなかったり、被せ物を精密に作ることができないなど、様々な問題が生じるため抜歯と診断されることがあります。
その場合、当院では歯冠長延長術という歯周外科手術をご提案することが多いです。
歯冠長延長術の詳細な術式と症例については当院のホームページを御覧いただきたいですが、要点をまとめると「歯肉の上に被せ物を作るのに適した健全な歯質を確保する」ための手術となります。
上の画像のように歯肉の上に健康な歯質を確保するためには歯槽骨の上に一定量(大体3mm以上)の健全な歯質を確保する必要があります。
そのために歯肉を開いて歯槽骨の削除を行います。
このような外科手術を行うことで被せ物を精密に作る条件が整うので、その後被せ物により咬み合わせ機能の回復を行います。
より深く虫歯が進行した場合は矯正的に歯を引っ張り上げる方法(挺出:エクストルージョン)を併用するような場合もあります。
ただ、あまりに残っている根の状態が悪い場合は適応でない場合もありますので担当医にご相談ください。
歯周病が進行して歯を支持する歯槽骨がなくなります。
歯槽骨が失われることにより歯がグラグラしたり炎症を起こしたりする場合、保存できないと判断して抜歯を勧められることがあります。
当院では、適応の場合に対して歯周組織再生療法を提案することがあります。
歯周組織再生療法の術式の要点は「歯茎を切開しないと除去できない歯石を見える状態でしっかりと取り、骨より治癒の早い上皮が入りこまないように骨面を特定の材料で被覆して骨の再生を促す」ことです。
言葉で表すと単純ですが、適応症例や予後の予測、また術前のプラークコントロールや術後のメンテナンスなど様々な要素が絡む手術です。
当院は歯周病専門のクリニックとして歯周治療のプロトコルに則った診断と術式を提供しています。
治療の成功例だけ見ると「歯周病はどんな状態からでも治る」と思わせるような夢のある治療に感じられますが、どのような歯、どのような状態でも再生療法で保存できるわけではありません。
その診断と見極め、そしてご自身のセルフケアが大変重要となる治療ですので、その点をご理解いただきたいです。
一度神経を取る治療をしたあとに歯の根先端の炎症が再発し、噛んだときの痛みや歯茎の根元に膿が溜まったりすることで不快感が強くなり、抜歯を勧められることがあります。
根管治療は歯を保存するうえでとても重要な治療ですが漫然と従来の保険治療で根管治療を行っても問題となる症状が改善できるとは限らないのが現状です。
根管処理歯における根尖部X線透過像の発現率
(2005.9〜2006.12 東京医科歯科大学)
当院のHPにも掲載していますが、東京医科歯科大学付属病院による、日本における保険治療での根管治療の再発率(失敗率)を示したグラフです。45~70%の歯において再治療が必要な状態になっていることが分かります。
精密根管治療はラバーダム防湿という方法で歯を他の部位から独立させ、マイクロスコープを用いて強拡大下で専用の器具を使用して根管治療を行う方法です。
精密根管治療を行うことで治療の成功率は上昇することが見込めますが、過去の治療痕や解剖的な問題でどうしても根尖部の感染を取り除けないようなケースがあります。
そのような場合は歯根端切除術や再植術によって外科的に感染を取り除くこともあります。
精密根管治療や外科的な根の治療は歯の保存のためにはとても有益な方法ですが、ただ単にそれだけでは安定した予後が得られません。
CTやレントゲンでの診査、根の解剖的な状態及び根の中だけではなく被せ物(上部構造)をどれだけ安定して行えるかを総合的に判断した上で予後を予測して行うものです。
根の治療が成功しても歯として短命であるなら残すより抜歯したほうが合理的な場合も多々あります。
詳細は担当医にご相談いただきたいです。
上記で示したような歯周病と根の炎症が混在しているケースがあります。
これを歯周・歯内病変と言い、病態によっては治りにくい状態の一つです。
レントゲンで見たときに根の先端まで骨が溶けているので単に歯周炎(歯肉の外側からの感染)と診断されることもありますが、実は歯の中の歯髄(神経)が死んでいて歯槽骨の炎症を起こしているようなケースです。
神経の炎症・汚染が原因で骨が溶けている場合は外からいくら歯周病治療(歯石取り等)をしても歯の症状は改善しません。上に述べたような精密根管治療を行うことで改善が認められることもあります。
どちらが原因になっているか鑑別する一つの方法に歯髄電気診など、歯の神経が生きているかどうかを調べるテストがあります。
これは歯に弱い電気を流して痛みがあるかどうかで神経の生死を鑑別する方法ですが、一つの指標として利用します。
ここで電気を流しても痛みがない、もしくは鈍い感覚しかない場合は神経は死んでいると判断して神経の治療を行います。
両者が混在しているようなケースでは精密根管治療を行った後に歯周組織再生療法を行うこともあります。
いずれにしてもどちらからの感染が主要因となっているかの診断が重要となってきますが、あきらかに歯周病由来と判断されるケースを除いては先に根管処置を行って治療の効果を確認してから歯周病治療を行うことが推奨されています。
このように、歯周病治療を希望したのに根の治療を勧められるような場合はしばしばありますが、治療の成功のために必要不可欠なステップであることが多いのでご理解いただければと思います。
軽度のヒビ(クラック)であれば保存できる可能性がありますが、当院では基本的に割れてしまった歯には抜歯をお勧めしています。
亀裂に入り込んだ感染を取り除くと歯は物理的に弱くなるので噛む力に耐えて機能させるのはとても困難だからです。
ただ、抜歯後の骨を保存するような方法もあるので、当院では抜歯を行う前にその後の処置方針を固めてから抜歯することをお勧めしています。
以上、「保存が難しいと言われた歯を保存する方法」をお伝えしましたが、歯を無理に残すほうが問題となるケースもあります。
具体的には
・ご自身でのメンテナンス(清掃)が困難な場合
・残存させることで顎の左右バランスを著しく損なう場合
・かみ合わせにとってストレスとなるような位置にある場合
・その歯を残すことによって隣の歯に悪影響がでることが想定される場合
・長期予後が望めず治療にかけた時間やコストが大きく無駄になる恐れがある場合
などです
日本の保険診療のシステム上、ご自身の残存歯が多い方が価値が高いと考える傾向もありますが、当院として重要視しているのは患者様が長い人生を通して快適にお食事を楽しめる環境を提供することです。
歯を抜いたあとに義歯やインプラントと上手に付き合いながら長くお食事を楽しむのも大変価値があることと考えています。
もちろん歯周治療専門のクリニックとして天然の歯をできるだけ多く残すという信条は常に念頭に置いておりますが、長期的に安定した口腔内の環境をご提供できるためには何がベストか、という視点で治療のご提案を行っております。
セカンドオピニオン等できちんとご相談、ご納得いただいた上で上記のような治療を進めていくことをお勧めいたします。
以上のように、それぞれ抜歯と診断された原因別の対処法を説明いたしましたが、大まかにまとめると
虫歯が歯肉の深くまで進行している場合→歯冠長延長術
歯周病が進行している場合→歯周組織再生療法
根の炎症が治まらない場合→精密根管治療と外科的根管治療
根の炎症と歯周病の進行が複合的な場合→精密根管治療と歯周組織再生療法
歯が割れている場合→抜歯
となります。
これはあくまで大まかな分類となりますので個々のケースに応じた対応をご提案します。
まずは当院にご相談ください。
私たちは、歯周病専門のクリニックとして虫歯治療から噛み合わせまで、 患者さま一人ひとりに合わせたトータルな治療をご提案し、患者様の満足を第一に最後まで治療します。
初診のお申し込みは、24時間WEBから可能です。 皆様のご来院を心からお待ちしております。 http://kanamorisika.com/yoyaku24h/
2024/02/01
02.かなもり歯科クリニック, 06.歯周病, 07.歯周外科処置, 16.予防歯科, 27.治療
品川区の歯医者 かなもり歯科クリニックの歯科医師の沼部です。
CMやTV番組でもよく聞く歯周病とはどんなものなのか、原因や治療の方法までわかりやすく説明しています。
最後には予防法まで書いていますので歯周病について知りたい方、悩みがある方は参考にしていただけたらと思います。
歯周病は歯を支えている骨や歯ぐきの病気のことです。
磨き残しにより歯の表面に付着した歯垢(プラーク)が石灰化して歯石になると、
歯石が付着した歯と歯ぐきの間に隙間(歯周ポケット)ができ、炎症を起こします。
この炎症が歯ぐきの内部にまで進むと、
歯根膜(歯を取り囲む膜)や歯槽骨(歯を支えている骨)が破壊されて歯を固定する力が弱まり、放っておくと最終的に歯を失うことになるのです。
わかりやすく、家に例えてみましょう。
家の土台が柱が地盤が緩んだり、害虫によって老朽化すると、家屋を支える力を失ってしまいます。
そうなると家屋全体がグラつき始め、やがては倒壊してしまいます。
同じように歯周病では、磨き残しによって歯の土台である歯槽骨がだんだん減っていき、ついには歯が抜けてしまうのです。
歯周病の原因は様々です。原因の一部をご紹介します。
歯垢とは簡単に言ってしまうと、細菌の塊のことです。
磨き残しはお口の中の細菌によって代謝されます。さらに、代謝によって作った粘着物質で細菌は自分の周りをカバーしていきます。
この細菌と代謝物の塊が、歯垢なのです。
歯垢は細菌にとって快適な空間となり、どんどん新しい細菌が増殖していきます。
歯周病の原因菌は酸素が嫌いなので新しい歯垢にはあまりいませんが、歯垢をずっと放置してしまうことで酸素が届かない歯垢の奥深くで歯周病の原因菌が徐々に増えていき、歯周病が進行します。
タバコに含まれる有害物質の薬理作用によって、歯の周りを支えるさまざまな組織が破壊されてしまいます。
また、1日に吸うタバコの本数、喫煙歴(何年吸っているか)などは歯周病の重篤度と関連があります。
糖尿病の患者さんの特徴に、免疫力の低下が挙げられます。
免疫力の低下が見られるということは、歯周病菌に感染するリスクが通常の人よりも高いです。
さらに歯周病菌が出す炎症性サイトカインと呼ばれるものが糖代謝を防いでしまい、糖尿病を悪化させる要因になります。
他にも、ストレスや疲労による体力の低下が歯周病を悪化させると言われています。
喫煙や糖尿病は歯周病を進行させるだけではなく、治療の効果も低くなると言われています。
そのため歯周病治療では、禁煙のサポートや糖尿病の担当医師と連携して全身の健康管理も一緒に行います。
歯周病は、日本人の成人のおよそ80%が歯周病にかかっていると言われています。
まさに国民病です。
軽度のものも含めると、40歳以上では5人中4人は歯周病患者となります。
高血圧・糖尿病と同じように、初期段階では自覚症状を伴わないのが特徴です。
症状がほとんどないため、多くの人が歯周病に気付かず、放置しているのが現状です。その間に歯周病はどんどん進行していくのです。
歯周病が進行すると、以下の様な症状が出ることがあります。
・歯磨きで歯肉から出血する
・歯肉が腫れる
・歯肉が下がって、歯が長く見える
・歯と歯の間に隙間が見える
・口臭がする
・疼くような鈍い痛みがある
・食事が噛みにくい
はっきりした痛みが出ることが少なく、見た目でわかりにくいことから発見が遅れてしまうケースが多く見られます。我々歯科医師でも、自分の口の中でどれくらい歯周病が進行しているのか自分では正確に判断することがむずかしい、恐ろしい病気です。
口の中で上記のような症状があるようでしたら、歯医者さんでの歯科検診を強くお勧めします。
歯周病には段階があります。 初期の症状の段階で発見し、治療を開始することが重要となってきます。
歯と歯ぐきの間に、プラーク(歯垢)や歯石がたまり、細菌が繁殖して歯肉が炎症を起こしている状態です。
症状としては、歯肉の腫れや出血などです。
この段階であればブラッシング指導に基づく日々のブラッシングや、歯のクリーニングを1~2回行うことで、比較的短期間で回復します。
口臭や出血がひどく、歯石の付着も目立ちます。歯科医など専門家が見れば歯肉にも炎症を起こしているのが確認できる状態です。
軽度歯周病とは異なり、徐々に骨が後退しはじめます。歯周ポケットも深くなり、歯もグラグラと動揺が見られます。
この段階まで進行してしまうと、歯の表面に沿って歯肉溝の奥まで付着した歯石を取り除く必要があります。(スケーリング・ルートプレーニング)
痛みを感じる時は麻酔をして痛みを最小限に抑えた状態で歯石を取り除きます。麻酔をする治療は痛みはないと思っていただいて問題ありません。さらに数回にわたって除石を行い、歯肉の状態が改善された後に検査を行います。
歯肉溝(ポケット)の深さが4mm以上あるところは、通常の手用器具を用いた非外科的な処置での治癒は見込めないため、歯周外科の適応となります。
中等度歯周病が進行し、歯肉が化膿して真っ赤に腫れます。骨もかなり破壊されて後退し、歯の動揺が大きくなります。
重度の場合、非外科処置では対応できない部位があれば歯周外科(手術)にて対応します。
それでも保存不可能な場合は抜歯となります。歯周病の手術はいろいろありますが、基本的には日帰りで行える手術となります。
一口に歯周病といっても、その進行具合によって治療方法が大きく異なることがわかっていただけたかと思います。
重度の歯周病まで進行してしまった場合は抜歯を伴うこともありますので、歯周病が進行しないうちに治療することをおすすめします。
当院での歯周病治療の流れをご紹介します。
まずは問診票の記入をしていただきます。
その後口腔内写真の撮影・歯周ポケット検査・レントゲン検査などを行い、歯周ポケットの深さや出血の有無、歯が動いていないかなどを調べます。
歯周ポケットの深さは1~3mmまでが健康な状態。4mm以上だと要注意です。
また、当院のレントゲン検査は、デジタルレントゲンで実際の1/10のX線被ばく量でパノラマ撮影が可能。デジタル操作により撮影画像を拡大することができ、綿密な治療計画を立てることに役立ちます。
歯周病検査の結果を元に、患者さまのお悩みやご希望を伺うためのカウンセリングを行います。
患者さまが、痛みや出血、膿が出る、被せ物の違和感といったトラブルを自覚していらっしゃる場合は、まずお困りの状況の解決方法をご提案し、それらの症状が治まったあとに次の初期治療へ進めていきます。
例えば、中等度の歯周病で詰め物が取れてしまい「詰め物が取れたままで気持ち悪い、食べ物が詰まって困る」といった患者さまのケースでは、歯ぐきが腫れていたり膿が出ている状況でも、まずは取れている部分に詰め物をして日常生活のお悩みを取り除きます。
特に緊急ではなく「検診を受けたい」「歯周病の検査をしてほしい」「顎の関節が気になるけど特に痛みはない」といった患者さまの場合は、検査を綿密に行い治療計画を立てます。
歯石除去や歯みがき指導などで、歯ぐきの土台を改善させるステップです。
歯周病の原因を知っていただき、歯磨きの指導を行います。患者さまご自身の日々の歯磨きの方法が上達するように指導することが私たちの仕事でもあります。
その後、スケーラーという器具を用いて歯石を除去するスケーリングや、歯根の深い部分の歯石を除去し歯根表面を滑沢にするルートプレーニング、不良補綴物の除去や噛み合わせの調整といった初期治療へ進みます。
上記の基本治療を行ったあと、経過を見ながら再度口腔内写真の撮影や歯周病検査を行い、歯ぐきの改善状況をチェックします。
この時点で歯周ポケットの深さが3mm以下で出血もなければ治療は終了ですが、健康な状態を維持するために定期的なメインテナンスをお勧めしています。
歯周ポケットの深さが4mm以上の場合は、もう一度全体的な初期治療を行います。
歯周病が進行していて歯周組織の破壊が激しい場合は歯周外科手術を行い、破壊された歯周組織を回復させます。
外科的な処置に関しては、患者さまに選択をしていただく必要があります。
外科処置を望まない場合は、再度の初期治療で少しでも改善させる方法や 被せ物で現状を維持する方法、あるいはメインテナンスに移行し現状を維持する方法など、ご希望に添える方法を一緒に探し、インフォームドコンセントの上で治療を進めていきましょう。
SPTとは、「サポーティブ・ペリオドンタル・セラピー(supportive periodontal therapy)」の略称です。
治療が終了した後にも歯周病治療後の再発の予防と併せて、再発が起こってしまった場合に早い段階で適切な処置を施すために、 連続的な経過観察と予防処置を行います。
最近、歯周病の予防に関しては「メインテナンス」ではなく、この「SPT」という用語を使うことが、国内外の歯周病学会から提唱され始めています。
つまり、SPTはメインテナンスの中でも「歯周病のリスクが、中程度より高いレベルの患者さまを対象として特化した予防理念」といえるでしょう。
歯周病から歯を守るための最善の方法はずばり予防です。歯周病の予防は日常の習慣や定期的な歯科ケアによって実現できます。
口腔衛生と健康的な生活習慣を守り、歯周病を予防しましょう。早期の対策が将来の歯の健康を保つのに役立ちます。
歯周病にならないためにも、定期的にお口のチェックを受けることが重要です。
文献的な考察によると現在30歳の方であれば、定期的なメインテナンスで70歳までに失う歯は4本で済むのが目安です。
また、ポケットの深さが3~4mm程度ある場合、健康な状態と要注意の状態の境い目なので、2か月に1回のメインテナンスが理想的です。
このペースを維持できれば、10年間で歯を失う確率を1本程度に抑えることが可能です。
自覚症状のない初期段階で歯周病を発見し早めのケアをすることで重症化を回避できたり、症状が緩和したあとの定期的なメインテナンスが再発防止につながったりと、定期検診の役割は甚大なのです。
毎日の歯みがき同様、定期検診、定期的なメインテナンスを「習慣化」することをお勧めします。
生まれつき歯周病だという方はいません。歯周病は生活の中で生じる慢性病です。
小さな時から予防を習慣化することで、将来にわたって歯周病になりにくい口腔環境を作れます。
予防が重要であることは、歯周病に限ったことではありません。
乳歯のシーラントや小児矯正などで虫歯になりにくい口腔環境を整えることは、しっかりしたプラークコントロールが可能になり、総合的に「歯を残すこと」へつながるのです。
とはいっても、お子さま自身が「将来の歯の状況」を考えられるわけではないので、ご家族の「お口の中への考え方、予防の捉え方」が重要です。
当院ではお子さまへの歯みがき指導や食育指導も行っていますので、ぜひご家族揃って予防に取り組んでいただきたいと思います。
毎日使っている歯ブラシにも、歯周病菌の繁殖は見られます。
正しいブラッシングを行っていても、歯ブラシに繁殖した歯周病菌を毎日お口の中に戻していては台無しです。
歯ブラシを定期的に交換することも大切な予防です。
一般的には、通常の歯ブラシは1ヶ月、電動歯ブラシで2~3ヶ月が交換時期の目安ですが、歯ブラシの種類によって異なります。
当院では、ブラッシング方法を指導すると共に、適切な歯ブラシの交換時期についてもアドバイスさせていただきますのでお気軽にご質問ください。
歯周病専門医・指導医とは、
日本歯周病学会が歯周病治療の知識や経験を認めた歯科医師に交付する資格認定制度であり、審査・試験を経て、合格した歯科医師に交付されるものです。
日本歯周病学会とは、歯周病を克服することにより自分の歯を1本でも多く残すことを目的に1957年に設立された学術団体であり会員総数は2019年9月30日時点で11,569名在籍しております。
会員の構成の特徴としては大学の臨床講座の会員以外に、基礎講座および開業歯科医の会員、加えて歯科衛生士の会員の比率が多いことです。
このことは歯周病という疾患の病因、病態や治療法の多様性を強く反映しています。
歯周病学会は歯周治療における専門的知識と技術を有する歯科医師を育成するとともに、国民の口腔保健の増進に貢献することを目的として認定医、専門医、指導医等の資格を設けています。
平成28年12月31日時点の歯科医師数は104,533人 です。
学会員11,569人のうち専門医は「5年間あるいは認定医取得後2年間研修施設で研修し、さらに専門的な歯周治療の知識と技量をマスターした上で専門医試験に合格した歯周病学会員」
とされ、2020年5月時点で全国で約1,125人です。
また、指導医となると2020年5月時点ではわずか273人となります。
当院の院長は専門医・指導医の資格を保持しております。
資格を誇示するものではありませんが、
「歯周病治療の標準的な知識を持ち、適切な治療が行える歯科医師であること」を数ある歯医者の中から当院を見極める指標のひとつにしていただければ、安心して歯周病の治療や予防をお受けいただけます。
歯周病にお悩みの患者様はお気軽にご相談ください。
いかがでしたでしょうか。歯周病について理解が深まったかと思います。歯周病は口腔内の一般的な問題であり、適切なケアと予防策を取ることで管理できます。
歯周病の早期発見と治療は、歯と歯茎の健康を維持するために非常に重要です。
歯科医のアドバイスに従い定期的な歯科検診を受けることで、歯周病のリスクを最小限に抑えることができます。
歯周病をご自身で見つけることは難しいと思いますので、当院までお気軽にご相談ください。
私たちは、歯周病専門のクリニックとして虫歯治療から噛み合わせまで、患者さま一人ひとりに合わせたトータルな治療をご提案し、患者様の満足を第一に最後まで治療します。
初診のお申し込みは、24時間WEBから可能です。 皆様のご来院を心からお待ちしております。
http://kanamorisika.com/yoyaku24h/
2020/10/09
矯正治療前 初診時の口腔内写真です
歯並びが悪く,よく噛めないと来院された患者様です
奥の銀歯が低くなってしまっているのがわかります
低くなる原因は
・食いしばりが強く,摩擦により削れてしまい低くなってしまった
・神経の治療をしている最中に放置して歯が動いてしまった
・もともと歯の高さが低かった
などが考えられます
歯列矯正後,銀歯を外し,根管治療を行ったのちファイバーポスト
を立てたところです
この歯の高さでは外れやすい補綴物となってしまいます
また,よく噛めないというのは歯の高さがないために,本来あるべき
歯の形,かみ合わせの溝を再現できないために起こっている可能性があります
歯肉弁根尖側移動術(歯肉を下げる手術)を行った直後の口腔内写真です
歯肉が下がり,歯の高さが十分でてきているのがわかります
術前と術後当日の口腔内写真です
術前と術後3ヶ月の口腔内写真です
このあと歯肉が健康な状態であれば被せものを行っていきます
治療終了時の口腔内写真です
治療前・治療終了時の比較です
患者様の歯並びが悪く,よく噛めないという問題は
解決できホッとしております
このような問題をお持ちな患者様
お気軽にご相談ください
2020/05/21
04.症 例, 05.虫歯治療, 07.歯周外科処置, 15.矯 正
神経の治療を行った歯は
歯冠の高さが全くなくなってしまっている場合があります
原因としては
①もともと神経を抜く前から高さがなかった
②神経の治療をしている間に処置している歯が移動してしまった
③上の歯が伸びてきてスペースがなくなってしまった
などが考えられます
この状態のまま被せものを行うと
①高さがないのでかぶせものが取れやすい
②かぶせることができたとしても噛み合わせの面が平らになり咀嚼効率がわるい
③かぶせものが高くなってしまい歯根が折れるあるいは顎関節に負担が生じる
などが考えられます
この場合
歯冠長延長術を行い歯肉の位置を下げることで
歯の高さを回復して適切なかぶせものを行うことができる条件を整えます
術直後 当日の口腔内写真です
術前術後の口腔内写真です
この程度歯肉の位置を下げることで適切なかぶせものを行うことができます
かぶせものがよく取れる・歯根が折れるなどを経験された方は
歯の高さがなくなってしまっている場合があります
お気軽にご相談ください
2019/10/26
2017/07/05
04.症 例, 07.歯周外科処置, 10.精密根管治療, 13.エクストルージョン(歯根挺出法), 15.矯 正, 17.審美修復
歯並びが悪く改善するための治療法として
全体的な矯正治療(抜歯・非抜歯)をするか
セラミック矯正で部分的に処置を行うか
悩まれる方も多くいらっしゃると思います
セラミック矯正とは
歯並びが悪い歯を抜歯する
または歯の頭の部分を削り落とし神経を抜き角度のついた土台(メタルコア)をいれ
4-6本の歯を連結して表面的な見た目だけを確保する
という方法です
セラミック矯正は周囲の歯を4-6本抜髄を行うことが多く
結果的に健康な歯質を切削することになるので
確実に歯の寿命を短くします
他院にて前歯が突出していたため
2本抜歯,隣の側切歯と犬歯合わせて4本を抜髄しメタルコアをいれ
メタルセラミックブリッジにて連結処置
その後咬合違和感と審美障害を理由に当院を受診されました
上部構造を外すとこのような形です
そこで全体的な咬合安定化と審美性の改善を目的として
セラミック矯正の修正治療を行います
根管治療をやり直し歯根に正しい角度の土台を入れ直し
そこから正しい位置に矯正治療を行い
移動します
現在仮歯をいれ経過観察
修正治療・最終補綴処置をおこないメンテナンスに移行予定です
なにを目的にするかでどの治療を選択するか決まります
様々な目的があると思いますが
短期的な審美性の回復で犠牲になるものが多すぎるため
当院ではセラミック矯正を行うことはありません
結果的に生涯歯科に費やす時間はセラミック矯正のほうが長くなると思われます
削ってしまった歯はもとにはもどりません
様々な意見をもとに治療を選択するようおすすめいたします
2017/05/01
04.症 例, 07.歯周外科処置, 08.結合組織移植術, 15.矯 正
矯正や被せ物を行う前に歯肉の位置が整っていると
精度が高く予後が良い被せ物を行うことができます
問題なのはこのように一箇所だけ歯根が露出している場合です
こちらの部分です
違う症例ですが
歯周病や虫歯や歯列不正や咬合が原因で
このように歯根が不揃いになってしまっている場合
いったん被せ物を行うとすると
このような形になってしまいます
このように波をうったような形は被せ物の適合精度を上げることが非常に難しいのです
またメインテナンスも非常に難しく2次カリエスになり再度被せ物をやり直すことも多いのです
そこで被せ物を行う前に結合組織移植術により歯肉の位置を元通りにして
それから被せ物や矯正を行うことができる場合があります
術前・術後の写真です 矯正の前準備が整いました
2016/02/01
04.症 例, 06.歯周病, 07.歯周外科処置, 08.結合組織移植術, 17.審美修復
犬歯と小臼歯が冷たいものがしみるとおっしゃる患者様です
歯肉が下がってしまい知覚過敏の症状が出て
冷たいもの・熱いもの・ブラッシングでも痛むとのことです
知覚過敏の治療は様々ございます
① フッ素や知覚過敏治療薬物を定期的に塗る方法
② 原因がかみ合わせの場合かみ合わせの改善,歯並びを治す治療を行う
③ 知覚過敏のでている部分にプラスチックを盛る
④ 歯肉が下がっている場合元に戻す(結合組織移植術)
⑤ 神経を抜く
⑥ なにもしない
このなかから治療法を選択することになります
どの治療法もメリット・デメリットはあります
③・⑤は根本的な解決にならないことが多いですが
比較的簡単で一時的な症状の改善にはつながります
しかし問題を先送りにして
将来他の問題が起こる可能性を作ってしまうことが多く
当院ではあまりおすすめしておりません
歯並びをが悪いことで過度の力がかかってしまい歯肉退縮を
起こしている可能性が高い症例ですので
根本的な解決は矯正を行い歯並びの改善・咬合力の分散を
図る必要があると思われます
今現在は矯正治療を行うことができないため
この患者様は④結合固有組織移植術(CTG)を選択されました
術前・術後3週間
術後4週間
知覚過敏症状も落ち着きましたので
夜間の咬合力の分散を考慮し,マウスピースを製作し
メインテナンスに移行しております
知覚過敏の治療も様々です
お気軽にご相談ください
2014/08/09
04.症 例, 07.歯周外科処置, 11.親知らず 抜歯, 12.歯牙移植
症状がないと親知らずの抜歯は嫌なもので
先延ばしになりがちです
当院では予防的な概念から
積極的に親知らずの抜歯をおすすめしています
親知らずのを用いた自家歯牙移植を当院では頻繁に行うため
疑問に思われる患者様もいらっしゃるかもしれません
重要なのは他の歯を守ることです
位置の異常や形態の異常で
炎症をコントロール(ブラッシング)できない親知らずは
感染源になりますので抜歯した方がいいということになります
もちろん移植に適した親知らずで
炎症もコントロールできる場合は積極的に
残していく処置を行っております
下記のレントゲンは2年前にいらっしゃった時のレントゲン写真です
その次のレントゲンは現在のものです
お口の中は前方からしかアクセスがむずかしいため
隣り合っているところが虫歯になると親知らずの横に生えている
永久歯の神経を抜かなければならなくなる可能性が
高くなります
今回の患者様は抜歯に同意していただき
抜歯後手前の歯の抜髄の可能性も理解していただきました
2年前抜歯を強く勧めなかったことが悔やまれます
10年後何らかの原因で抜歯になりそうな親知らずは
周りの歯が傷つく前に抜歯をおすすめいたします
どのみち抜歯になるのですから
東京都品川区 北品川 青物横丁,新馬場,歯周病専門医,インプラント認定医,かなもり歯科クリニック
http://kanamorisika.com 03-3450-6480 メールでのご質問はこちら ご予約はこちら
2014/02/11