2016/07/26
とけるような暑さが続く夏の季節もあとわずかですね。
みなさんはどのような熱中症対策を考えていますか?
立っているだけで汗をかいてしますので
対策として夏はスポーツドリンクを飲む方も多いのではないでしょうか。
前々回は虫歯になる因子をカイスの輪を使ってお話しました。
前回は虫歯とは歯が溶けることでそれをステファンカーブを使ってお話しました。
虫歯シリーズ!ラストの今回はこの先需要が増えそうなスポーツドリンクの
ちょっぴり怖い話と、そんなスポーツドリンクとの付き合い方についてお話したいと思っています。
汗を大量にかく夏や運動後の水分補給や塩分補給にスポーツドリンクを飲まれていませんか?
身体に必要な栄養がたくさん入っているので簡単に補給できそうですよね!
良いこともたくさんあるのですが、上手に付き合ってもらいたいと強く感じているので
怖い話も兼ねてしていくことで健康管理に役立ててもらいたいと考えています。
スポーツドリンクを飲むとほのかな甘味も感じますよね。それはお砂糖が入っているからです。
では、角砂糖何個分が入っていると思いますか?
あと、前回お話したpH!
中性は7で、歯が溶け出す臨界pHは5.5でしたね?
では、スポーツドリンクのpHはいくつでしょう!
正解はこちら
写真が見にくくて申し訳ありません(><)★★
なんと
角砂糖は5個も!
pHは3.5!!
どういう事かといいますと
虫歯菌のエサになるお砂糖を、歯を溶かしながら与えているということです。
お砂糖が入っているだけでもリスキーなのに同時に歯も溶かしている・・・
あと、飲み物なので、まめに補給しますよね?
それをすると臨界pHから戻ってくることがなかなかできないので歯が溶けた状態が持続していることになるのです。
私の出身は東京都江戸川区で、小児と高齢者に手厚い区と言われています。
以前保健所に研修でいった際は区をあげて小児の虫歯予防や、夏の高齢者の脱水症状の予防に力を入れているのを身をもって知りました。
そんな江戸川区ではスポーツドリンクの付き合い方をこう推奨しています。
『医師の診断がでたらスポーツドリンクを飲んでください。』
逆をいえば、スポーツドリンクを常飲しなくても脱水症状の予防ができるということです。
日本人は
塩分の多いお味噌汁やお醤油、お漬物などをよく口にしますよね。
塩分の取りすぎが問題になっているほど私たちは摂取しているので
夏場に汗をかいても塩分を常飲してまで補充する必要はないそうです。
塩分はとる必要がなくても水分はまめに摂取しないといけませんね。
なので、お水やお茶などで水分補給を充分されてはいかがでしょうか。
スポーツドリンク以外のpHもあったので載せました。
酸性のお酢と同じくらいのpHの飲み物もありますが、どれも美味しくて魅力的な飲み物ばかりですね。
カイスの輪でお話したとおり、お砂糖を摂ることが虫歯になるわけではありませんし
お口の中がpH酸性に傾いても
唾液の力で中性に戻すだけではなく、再石灰化して修復してくれます。
それにプラスして、魅力的な飲み物で味覚を楽しんだ後はお水を飲むことや
リカルデントガムを噛んで歯の修復を助けたり、フッ素入り歯磨き粉をつかうのも良いですね!
美味しいものを口に入れると幸せですよね。
付き合い方はたくさんありますので、お水やお茶以外の四季折々で味わえる多種の味を楽しんでもらえたら歯科衛生士日和につきます(^^)
歯科衛生士 向田
2016/07/13
突然ですが、pHは覚えていらっしゃいますか?私はペーハーと習ったのですが
今はピーエイチと読むそうです!!!
小学生の頃、理科の授業でリトマス試験紙を使った実験をした記憶があります。
アルカリ性~中性~酸性をリトマス試験紙の染まる色で表したものでしたね。
今回お話したいステファンカーブはお口の中のpHの変動を表したもので
虫歯の機序がとてもわかりやすく表した図なんです。
お口の中は中性(pH 7)に保たれています。
食事をするとpHが一気に下がって酸性に傾いて歯が脱灰されてしまいます。
そして30分から1時間弱の時間をかけてゆっくりとpHが中性に戻ってきます。
脱灰が始まる境を臨界pHといいますが
それはとても高かくて5.5なのです。
これは、なにを召し上がっても5.5を下回って歯が脱灰すると思っていただいても大げさではないくらいです。
虫歯は脱灰が続いて続いて続いて・・・
起こると思ってください。
ですが定期的に食事をしても
すぐ虫歯にならないのはなぜだと思いますか?
口は食べ物を咀嚼し体が栄養を吸収しやすくする生きる根幹を担っています。
そんな大切な器官なので、食事で口の中が酸性に傾いて脱灰しても虫歯にならないようにバランスを保っているのです!
人間の体ってすごいですね!!
脱灰してもすぐ虫歯にならないように
唾液で再石灰化を促しています。
お子さんは唾液が多いですよね?それには理由があって
そのたくさんでてくる唾液のおかげで
もろい生えたばかりの歯でもすぐ虫歯にならないように守ってくれています。
では、唾液で再石灰化されるのに虫歯になってしまうのはなぜでしょう??
理由は2つあります。
①間食をする、俗に言うだらだら食いをすることで
脱灰している時間が長くて唾液の再石灰化が追いつかないで虫歯になってしまう。
②歯の表面にプラークが付着していて
唾液の再石灰化が効かない。
この事から甘いおやつを食べることがいけないのではなくて、だらだら食べてしまうのが虫歯をつくってしまう原因なのです。
いくつになってもふとした時に甘いものが食べたくなりますし、
砂糖がはいっている飲み物も多いですね。
なのでメリハリをもって甘味を楽しまれるのはいいのではないかと思います(^^)
歯科衛生士 向田
2016/06/27
2016/06/18
歯みがき方法第5回目は『フォーンズ法』についてお話したいと思います。
この磨き方は
・お子様
・細かい操作が困難な方
・ブラッシングの仕上げに歯磨き粉を使用する場合
に該当する方の磨き方です。
さっそく磨き方を見てみましょう!!
①お口を閉じて上下の歯が咬んでいる状態にします。
前回の垂直法と同様で上下の前歯もかるく切端を合わせましょう
②歯に歯ブラシを直角(90度)に当てます
③上下の歯の歯茎に当てるのを目安にして歯ブラシで円を描くように
グルグルまわしながら磨いていきます。
フォーンズ法の特徴は
第一に簡単なことです♪
顕著な汚れを簡単に落とすことができます。
歯茎に適度な刺激を与えられたらマッサージ効果もあると教科書には書いてありました。
しかし、細かいところ、
たとえば歯と歯の間だったり、歯茎の際は磨けないのが難点です。
強く歯ブラシを当ててしまったり、毛先が広いた歯ブラシや硬い歯ブラシでフォーンズ法を行うと
歯肉が傷ついてしまうので注意が必要です!
お子様はフォーンズ法や以前にご紹介した水平法をされますがどちらも細かいところは磨けないので、歯みがき後は仕上げ磨きをしてあげてください。
大人の方は、スクラッビング法やバス法と組み合わせてフォーンズ法もされるのを
お勧めします☆
お勧めは歯みがきの仕上げに!!
また歯磨き粉を付けるときに適した磨き方です。
歯みがき方法を取り上げるのも5回目になります。
多いように感じますがまだ折り返し地点のも着ていないのですよ(^^)
まだまだ磨き方はたくさんありますのでお楽しみに♪
歯科衛生士 向田
2016/05/25
この頃歯の予防について取り上げられることが多くなってきました。
テレビでも観ますが、書籍も数多くでています。
今回は、私が読んで面白かったものと
患者様からおすすめされて面白かったものがありますので
そちらの2冊をご紹介したいと思います。
1冊目がこちらです。
この本を知ったきっかけは歯科専用の情報誌などではなくて新聞に掲載されていた広告です。
著者は歯科衛生士!
『はみがき革命』という本ですが
内容は歯みがき以外の、歯や口の健康を守るために大切なことが
専門用語も使われてなくて、要点もわかりやすく書かれています。
私は、実家に帰るときに持って行ったのですが
この本を読んだ母は今まで以上に口腔に関心が高まっていました。
歯みがき以外も歯を守るために大切なことがたくさんあるのですが
なかなか治療中だとすべてを伝えることは難しいと感じていたことが
たくさん載っている濃厚な一冊です(*^^*)
2冊めは患者様から紹介いただいたものです。
この物語の舞台は珍しいことに
歯科医院なのです!
主人公は歯科恐怖症なのにひょんなことから歯科医院でアルバイトをすることになった歯科助手さんです。
アルバイト先の歯科医院は歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、医療事務メインの歯科助手さんがいる歯科医院なのですが
そこの名前が・・・
品川デンタルクリニック !!
立地的に親近感わきますね!!
主人公が歯科医院を通じて成長していく物語なのですが、
取材ではなくて勤めたのかな?
と思うくらい内情がうまく表現されていると感じました(*^^*)
続きが気になってどんどん読み進めてしまうくらい楽しいお話なので
歯科従事者もそうでない方にもおすすめの一冊になります?
どちらも品川図書館においてありましたので
よろしければ手にとってみて下さい(*^^*)
歯科衛生士 向田
2016/05/17
ダイヤモンドは、この世の中で最も硬い物質としても知られています。
工業用に合成されたダイヤモンドは、
ガラスの切断など色々な切削器具に利用されています。
そして歯を削るのにもダイヤモンドも使っているのです。
歯の表面をおおってるエナメル質が、ダイヤモンドと同じくらい硬いのです。
歯医者さんに行くと『キーーンッ』とゆう高い音が聞こえて
その音が苦手な患者さんいますよね(+o+)
あれは、エアタービンの音です。
30年程前にこのエアタービンが開発されるまでは、
歯のエナメル質を削るのは、非常に大変な事でした。
このエアタービンのおかげで
今では効率よく正確に削れるようになり
歯科医療の精度が向上しました☆彡
患者さまへの負担も軽くなり快適になりました。
エアタービンは、1分間に30万回~60万回も回転するので
あの様な高い音が出てしまうのです(・。・;
回転する先に取り付けられている刃先の先端にもダイヤモンドの
粉末が付いています☆彡
歯科助手 下田
2016/05/17
この頃焼けるように暑くなる日もありますね。
虫歯予防デーの6月も来月と近づいてまいりました!
それでなのか、歯科医療従事者以外の方向けのセミナーも開催されています。
先日、東京国際フォーラムで『デンタルフォーラム2016~お口の健康から作りから、全身の健康を考える~』 がありました。
歯周病と聞くとお口の中だけの病気と思われがちですが
一見因果関係がなさそうな全身疾患にも
歯周病は多大な影響を与えていることをご存じの方はまだまだ少ないように感じました。
脳血管疾患、糖尿病、心疾患、肺炎、リウマチ、認知症
今思い浮かぶ代表的疾患だけでもこれだけありますが、まだまだたくさんあります。
どれも命の危険がある疾患ですね。
一つ一つお話すると、とても枠が足りないので控えますが
今回の講演会では歯周病と全身疾患の関わりやその予防対策の
なんとも肩がこりそうなお話を笑いもまぜつつ楽しくお話してくださったので
あっという間に時間が過ぎました!
会場は450人以上の参加者であふれていました!
今回のセミナーは朝日新聞に掲載されていたそうなので
記事をご覧になって自発的に参加された方々がこんなにいらっしゃる事に
嬉しく思います。
中でも印象的なのが
会場にいらっしゃる方に
質問に手を上げて答えてもらう簡単なアンケートがあったのですが
デンタルフロスを使っている方が6割ほども!
かかりつけ歯科医院を持っている方はそれ以上の8割ほどいらっしゃったことです!!!
日本ではデンタルフロスを使っている人の人口の割合は
1割強と言われているのに6割は驚愕の数値ですね!
きっと通われている歯科医院さんはその方々にあった磨き方から
知ってほしい歯科の情報をお話されているところなのでしょうね(*^^*)
そんな歯科医院に通われている方はお口の中に関心が強くなったことで
今回セミナーに足を運ばれたのかと思うと
その歯科医院に連絡したいくらい嬉しく思いました!
そこの歯科医師や歯科衛生士は幸せものです\(^o^)/
今回参加して興味深かったことがあります。
たくさんのお口の写真がでてきたのですが
歯科従事者と一般の方では
反応するところに違いがあったことです。
一般の方がどんな事に嫌悪感を抱かれるのか知れたことで
今後はその予防のお手伝いもしたいと考えています。。
歯みがきだけが予防ではありません。
歯科の知識があることでマイナスなことはないので
小さいことでも構いません。
聞いてみたいことなどありましたら気軽におたずね下さい。
歯科衛生士 向田
2016/04/25
LIONさんと聞くとどんな商品を思い浮かべますか?
薬用石鹸のキレイキレイや制汗剤のBAN
お昼に放送するごきげんようなど
いろいろ思い浮かびますね!
LIONさんは歯ブラシや歯磨き粉、デンタルフロスなど歯科の商品も多く出していて
クリニカやシステマがそれに当たるのですが
歯科医院専用販売の商品も多く出しています。
先日、2日にわたってLIONさんで開発されたセミナーがありましたので参加しました。
気になる疑問にお答えいただきました。
Q 歯科医院専用のものとそうでないものの歯ブラシの違いはなんですか?
A 一般品はどんな人が磨いてもそこそこプラークが除去できる作りになっていて
歯科医院専用のものは、所見に特化した作りになっているそうです。
たとえば、インプラントが埋入している人用、補綴物が入っている人用などです。
ちなみにクリニカは虫歯予防、システマは歯周病予防と伺いました。
Q 歯磨き粉にはペーストのものやジェル状のものとありますが使い分けを教えて下さい。
A ペーストはベーシックととらえて下さい。 ジェルは粘性が前者のものよりあるため
特に虫歯になりそうな限局的な部位に効果がほしい人が使うと
ジェルが長く停滞するためよいそうです。
たくさんの種類が出回っている歯磨き粉ですが
研磨剤が入っていたり薬効成分が違っていたり
歯磨き粉自体の粘性も全く異なります。
セミナーでは、LIONさんから特に説明をされずに
4つの歯磨き粉の使い心地を体験しました。
黒いアルミホイルの上に4種類を同量出して人差し指の腹を使って回していきます。
そうすることで研磨剤が入っているもので比べても粒子の大きさや量の違いが指から伝わりますし
ジェル状の歯磨剤でも粘性がとても違います。
メンテナンス(SPT)に移行されている患者様は、治療も終わってセルフケアもお上手な方です。
でも定期的にSPTを受診していただくのは、セルフケアでは悲しいですが限界があるからです。
なので定期的に足を運んでいただきプロフェッショナルケアをして
次のSPTのご予約でお会いする時まで
どこも悪くなっていない、前回と変わっていない安定した口腔内でいてほしいと思っています。
今回のLIONさんのセミナーでは
開発者の方や、LIONさんにお勤めの歯科衛生士の方、フリーランスで活動されている歯科衛生士さんも参加されました。
予防歯科を考えたとても良い経験や知識を頂きました。
得たものを患者様に情報提供して健康のお手伝いができるようにがんばります。
歯科衛生士 向田
2016/04/16
2016/04/04