歯周組織再生療法
歯周組織再生療法とは?
歯周組織再生療法とは、歯周病によって失われてしまった歯周組織(セメント質や歯槽骨、歯根膜)を再生させる歯周外科手術です。
歯周病に侵された歯周ポケット内部の汚れや細菌を取り除いたあとに、歯周組織再生材料というゲル状の薬品を塗ることで、歯周組織の再生を促します。
すべての症例が適応ではありませんが、中等度から重度の歯周病でも改善が期待できます。あきらめずにまずはご相談ください。
歯周組織再生療法の対象となる症状
歯周組織再生療法は、中等度から重度の歯周病の方のうち、歯周病の基本的な治療で治らなかった方が対象となります。
歯周外科手術を行うにあたっては、術前にいくつかの条件を満たしておく必要があります。
患者さまの全身状態がよいことや口腔衛生状態がよいこと、そして喫煙がコントロールされていることです。
糖尿病など持病のある方は、担当医師と当院が連携して手術を行えるかどうかを判断しますので、お気軽にご相談ください。
歯周組織再生療法のメリット
歯肉を剥離することで、基本的な治療で取り切れなかった歯石や、細菌感染した組織をきれいにしていきます。さらに歯周組織再生材料を塗布して、歯周病によって失われた歯周組織を再生させ、歯の寿命を延ばします。
歯周組織再生療法は1回の施術で効果があり、実際に良好な治療成績が多数報告されています。
歯周組織再生療法の治療の流れ
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STEP1歯肉の切開
麻酔をしたら、手術部位の歯肉を切開して歯と骨から剥離します。
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STEP2歯垢、歯石、細菌感染した組織をきれいにする
露出した歯根についた歯垢や歯石を、専用の器具で除去します。また、細菌に感染した肉芽やセメント質を丁寧に取り除きます。必要であれば、骨の形を削って整えます。
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STEP3再生誘導材料塗布
骨が吸収された部分に、再生誘導材料を注入します。骨の吸収が大きい場合には、欠損部に骨の移植を同時に行います。
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STEP4縫合
剥離した歯肉を元に戻し、丁寧に縫合します。
歯周組織再生療法のリスク・副作用
症例によっては、歯周組織再生療法が適用できない場合もあります。ご自身が手術を受けられる状態かどうか知りたい方は、お気軽にご相談ください。
また歯肉を切開するので手術後に痛みが出ることがあります。この痛みに関しては、痛み止めを処方しますので日常生活にはほとんど問題はありません。
歯周組織再生療法を行った場合、歯周組織は半年ほど時間をかけてゆっくり再生していきます。特に再生期間中は、歯周病が再度進行しないように歯みがきを徹底していただく必要があります。