精密な治療で「大切な歯」を残す
一度治療した歯が痛くなるのはどうして?
皆さんは以前に治療したはずの歯が痛くなったり、再度治療が必要になったりした経験はありませんか?
一度歯科医院で治療してしまえばその歯が「治った」と思われる方も多いですが、残念ながら一度削ったり修復を加えたりした歯のほうが、天然の歯と比較してずっと虫歯など再度トラブルを起こしやすいのです。
自由診療と保険診療の違いでも触れていますが、通常同じ歯を5回再「治療」すると歯の傷は大きくなり、その歯は抜かなくてはならなくなる(Sheiham,1994)と言われています。 つまり、治療を繰り返すほどに歯の寿命は短くなり、抜歯に近づいていくのです。
また、よく治療説明を行った際に「その治療を行えばこの歯は一生持ちますか?」とのご質問を受けますがほとんどのケースで答えは「NO」です。
我々が手を加えた瞬間から、次の治療へのカウントダウンが始まっていると言えます。現代の歯科治療の技術では歯を完全にもとの健康な状態に戻すことは不可能なので、一度治療した部位が再び悪くなり、最終的に抜歯に至ることはある意味必然なのです。
大切な歯を残すために…拡大視野を前提に、多種多様なアプローチをご提案します
自分の歯を抜かずに残すためには、まずは虫歯や歯周病にならないようきちんと日々の予防を意識することが大前提です。当院ではその観点から予防歯科にも力を入れて取り組んでいます。
しかし、残念ながらそれでも治療的介入が必要になる場合があります。当院ではこのような際に「精密な治療を行うことで、来るべき再治療までの時間を延長し、トータルで歯の寿命・永続性(Longevity)を延ばす」ことをコンセプトに治療を行っております。
そのためにすべての治療ステップを拡大鏡やマイクロスコープを用いた拡大視野で行うのはもちろんのこと、現在エビデンスが確立された治療法にはできる限り対応し、大切な歯を残すために、外科的処置を含めた多岐にわたるアプローチで予知性ある治療をご提案します。
大切な歯を残すために当院で行っている精密治療
当院では、患者さまの大切な歯を残すため、以下の治療法を実施しています。
重度な虫歯(虫歯の進行が大きく、他院で抜歯するしかないと言われた)
虫歯になると歯が溶けて穴が空いていきますが、重度の虫歯とは、歯根部分以外ほとんどなくなってしまっている状態のことを言います。
このような状態の歯であっても歯肉に埋まっている歯を露出させて虫歯の部分を治療することで、歯を保存できる場合があります。
重度な虫歯に対して、当院では以下のような治療法を行っています。
歯冠長延長術(しかんちょうえんちょうじゅつ)
歯肉の上に十分な歯質がない場合に、外科的に歯肉を後退させて、埋まっている歯根の一部を露出させる方法
エクストルージョン
歯肉の中に埋もれている歯にフックをつけ、矯正用のゴムで引き上げて歯肉の上に露出させる方法
根尖病変(歯肉から膿が出た)
根尖病変とは、歯根の周囲に膿がたまっている状態です。重度の虫歯などによって細菌が歯の中に入り込み、そのうち歯根の先端に細菌がたまり、歯の周囲を溶かしていきます。
このような歯に対し、通常は根管治療という処置を行います。当院ではこの根管治療を精密に行うために様々な対策と設備を整えております。
重度な歯周病(歯周組織が破壊され複数の歯を失うと他院で言われた)
歯周病になると、歯肉に腫れや出血が見られるようになります。症状が進行すると、歯肉だけではなくその下にある顎の骨が溶けて歯がぐらぐらと動いていきます。
この状態から歯肉や骨を正常に戻すのは非常に難しくなってしまいます。
当院ではそのような重度歯周病に対しても、歯周組織再生療法と呼ばれる外科的な処置を駆使して、失われた歯肉や骨を再生させ、可能な限り大切な歯を守ります。
患者さまの大切な歯を残すため、当院では以下の治療法を実施しています。